リリース 5.10 の新機能

このトピックでは、IBM Director 5.10 における新規機能および機能拡張に関する情報を提供します。

IBM Director での作業方法の改善点

ユーザー・インターフェースの機能強化
IBM Director 5.10 には使用可能度の向上を目的とした以下の機能が含まれています。
  • 機能強化されたユーザー・インターフェースによって、単一ペインのビュー、「従来の」3 つのペインを持つビュー、または 2 つのペインを組み合わせたビューに、管理対象オブジェクトをより分かりやすく階層表示できます。
  • 管理対象オブジェクトの新規詳細ビューではカスタマイズが可能です。
  • ツールバーをユーザーがカスタマイズできるようになりました。
「イベント・アクション計画」ウィザード
「イベント・アクション計画」ウィザードが IBM Director コンソールから起動できるようになり、既存のイベント・アクション計画の編集に使用できるようになりました。 また、このウィザードは、 その使用可能度の向上と、さらなる機能強化のために再設計されました。 追加のイベント・フィルター、イベント・アクション計画を適用するシステム、 およびイベント・フィルターを適用する場合のスケジュールを指定することができます。
ユーザー補助の改良
IBM Director 5.10 は、米国身体障害者法の第 508 項に定められたユーザー補助に関する基準を満たしています。 この製品で行われた主な変更としては以下のものがあります。
  • キーボードのみを使用して IBM Director コンソールをナビゲートできるようになりました。
  • IBM Director コンソールには「アクセシビリティ・プリファレンス」が含まれており、これによってユーザーはカラー、フォント・サイズ、コントラストなどの表示属性をカスタマイズすることができます。
  • IBM Director コンソールでは、支援テクノロジーにより対話をサポートする Java ユーザー補助 API を実装しています。
  • IBM Director の資料は、Web ベースのインフォメーション・センターから配信されます。
新規コマンドライン・インターフェース
新しいコマンドライン・インターフェースとして dircli があるため、dircmd コマンドライン・インターフェースの使用は推奨されません。 dircli コマンドライン・インターフェースは、既存の dircmd バンドルをサポートし、共通システム管理タスクを実行するための新しいコマンドのセットを提供します。
さらに、別個のコマンドライン・インターフェースである CLI が追加され、レベル 1 管理対象システム上での CIM 機能へのコマンドライン・アクセスが可能になりました。
ソフトウェア・ヘルス・タスク
管理対象オブジェクト上の旧式のファームウェア、ドライバー、および Director エージェントを検査するための新しいタスクです。
無人インストール
IBM Director サーバーは、不在モードでインストールできるようになりました。
Web ベース (インフォメーション・センター) の製品資料
バージョン 5.10 の新機能である IBM Director インフォメーション・センターは包括的なブラウザー・ベースの情報システムで、提供されている最新の製品情報に簡単にアクセスできます。 IBM Director インフォメーション・センターには以下が含まれ、定期的に更新されます。
  • ユーザーが実行しなければならないタスクに対する支援
  • 概念情報
  • コマンド、拡張機能、アイコン、セキュリティー、およびその他の多数のトピックに関する参照
  • IBM Director の使用法のシナリオ

情報を検索するには、検索、目次のブラウズ、あるトピックから関連トピックへのリンクを使用できます。また、オフラインで読むためにトピックを印刷することができます。 IBM Director インフォメーション・センターは publib.boulder.ibm.com/infocenter/eserver/v1r2/topic/diricinfo/fqm0_main.html にあります。

インベントリーの機能強化
インベントリー・コレクションは、IBM Director 5.10 での以下の新規機能によって改良されています。
  • 収集されていないインベントリー・データに対して設計可能なフィルター照会
  • インベントリー照会ブラウザーでのツリー・ナビゲーションの機能強化
  • インベントリー変更のモニター
  • インベントリー・テーブルのカスタム・コレクション
  • インベントリーの完了またはエラーにおけるオプション・イベント
  • 以下の追加プリファレンスによるインベントリー・コレクション制御の改良
    • バックグラウンド・インベントリー・サービスの使用可能/使用不可の設定
    • インベントリー・コレクションを同時に実行するエージェントの最大数を指定することによる、リソース使用量の制御
    • 3 つのエージェント・レベルに対するデフォルト・コレクション・タイプの指定
上位統合機能の強化
IBM Director 5.10 には、上位統合モジュール (UIM) に対する以下の機能強化が含まれています。
  • Microsoft Operations Manager (MOM) のサポート
  • SMS 管理サーバー上の SMS_def.MOF ファイルを使用した、インベントリー・パフォーマンスの改良およびセキュリティーの強化

IBM Director での追加システムのサポート

ServeRAID™ ハードウェアおよびソフトウェア
IBM Director 5.10 では、以下の RAID デバイスのサポートが改良されています。
  • Linux での構成管理端末
  • VMware ESX 2.1 - 3.0 用の OS サポート
  • RHEL 4 用の OS サポート
  • EM64T および AMD64 用の OS サポート - Windows および Linux の両方 (コンソールおよびサーバー)
  • ServeRAID 8i 用のハードウェア・サポート
  • DS300 および DS400 を含む、SMI-S 1.1 対応ストレージ管理対象システムのサポート
  • サポートされているすべての SMI-S ストレージ・デバイスのハードウェア状況表示およびアラート・イベント
  • RAID サポート用の分離システム
  • エージェント占有スペースの削減
追加システムのアーキテクチャー・サポート
IBM Director 5.10 では、この製品のアーキテクチャーについて大きな変更が行われています。 IBM Director サーバーでは、以下の 3 つのタイプの管理対象システムを管理できるようになりました。
レベル 0 (「エージェントレス」) 管理対象システム
IBM Director は、オペレーティング・システム固有の ネットワーク・サービス (Windows システムでは SMB/CIFS/DCE-RPC プロトコル、他のシステムでは セキュア・シェル: SSH) を使用してこれらのシステムを管理します。 IBM Director ソフトウェアはインストールされていません。 これらの管理対象システムで以下のタスクを実行できます。
  • オペレーティング・システムで使用可能なインベントリーの収集
  • IBM Director コア・サービス (レベル 1) または IBM Director エージェント (レベル 2) をインストールします。
  • オペレーティング・システムを再始動します (Windows または Linux)。
  • 「リモート・セッション」タスクを使用して、コマンドライン・プログラムを実行します (SSH がある場合のみ)。
  • システムをシャットダウン/電源オフします (Windows)。
レベル 1 管理対象システム
IBM Director コア・サービスまたは CIMOM のいずれかが存在していなければなりません。 これらの管理対象システムでは、レベル 0 でサポートされているタスクのほかに、以下のタスクを実行できます。
  • プラットフォーム固有のインベントリーの収集
  • IBM Director エージェント (レベル 2) のインストール
  • イベント・アクション計画、イベント・サブスクリプション、およびイベント・ログを使用したイベントの管理
  • ハードウェア状況のモニター
  • 管理対象システムの再始動またはシャットダウン
  • 「リモート・セッション」タスクを使用して、コマンドライン・プログラムを実行します (SSH がある場合のみ)。
レベル 2 管理対象システム
IBM Director エージェントがインストールされている必要があります。 管理対象システム上で IBM Director タスクを完全に補完できます。
IBM Director サーバーおよび IBM Director コンソールのインストールでサポートされる追加システム
  • AIX 5L、バージョン 5 リリース 3
  • Red Hat Enterprise Linux AS、ES、および WS バージョン 3.0 (IBM POWER 用)
  • Red Hat Enterprise Linux AS、ES、および WS、バージョン 3.0 (Intel EM64T 用)
  • Red Hat Enterprise Linux AS、ES、および WS、バージョン 4.0 (IBM POWER 用)
  • Red Hat Enterprise Linux AS バージョン 4.0、IBM zSeries および S/390 用
  • Red Hat Enterprise Linux AS および ES、バージョン 4.0 (Intel EM64T 用)
  • Red Hat Enterprise Linux AS および ES、バージョン 4.0 (Intel x86 用)
  • SUSE LINUX Enterprise Server 9 (AMD64 および EM64T 用)
  • SUSE LINUX Enterprise Server 9 (IBM POWER 用)
  • SUSE LINUX Enterprise Server 9、IBM zSeries および S/390 用
  • Windows Server 2003、Enterprise、Standard、および Web Editions [EM64T 用]
IBM Director エージェントのインストールでサポートされる追加システム
  • AIX 5L、バージョン 5 リリース 2
  • AIX 5L、バージョン 5 リリース 3
  • Red Hat Enterprise Linux AS、ES、および WS、バージョン 3.0 (Intel EM64T 用)
  • Red Hat Enterprise Linux AS、ES、および WS、バージョン 4.0 (IBM POWER 用)
  • Red Hat Enterprise Linux、AS、ES、および WS、バージョン 4.0 (Intel EM64T 用)
  • Red Hat Enterprise Linux AS、バージョン 4.0 (Intel Itanium 用)
  • Red Hat Enterprise Linux、AS、ES、および WS、バージョン 4.0 (Intel x86 用)
  • Red Hat Enterprise Linux AS バージョン 4.0 (zSeries および S/390 用)
  • Red Hat Enterprise Linux WS、バージョン 4.0 (Intel EM64T 用)
  • SUSE LINUX Enterprise Server 9 (IBM POWER 用)
  • SUSE LINUX Enterprise Server 9 (zSeries および S/390 用)
  • 以下のゲスト・オペレーティング・システムを備えた VMware ESX Server、バージョン 3.0:
    • SUSE LINUX Enterprise Server 9 (IBM zSeries および IBM S/390 用)
    • 未確定
  • Windows Server 2003、Enterprise、Standard、および Web Editions [EM64T 用]
  • Windows Server 2003、Datacenter Edition [EM64T 用]
z/VM センター管理
z/VM オペレーティング・システム用に追加された管理サポートです。

セキュリティーの強化

セキュリティー
IBM Director セキュリティーは、以下の変更点によって改良されています。
  • UDP 暗号化のための AES サポート
  • サーバー上での監査
  • 新規インストールの場合、コンソールとサーバー間の SSL を含めたセキュリティー設定は、オンになっているか、またはデフォルトで選択されています。
  • Windows のみでの特権のグループ管理
  • UNIX での PAM 認証サポート
  • dircmd に置き換わる、ユーザー認証の dircli コマンドライン・インターフェース

その他の機能拡張

IBM Director 5.10 には、以下のその他の機能拡張が含まれています。
  • Apache Derby は、この製品に組み込まれ、デフォルトの IBM Director データベースになりました。 これは、IBM Director サーバーをインストール可能な i5/OS 以外のすべてのオペレーティング・システムでサポートされます。
  • デフォルト・グループの名前が「すべてのシステムおよびデバイス」から 「すべての管理対象オブジェクト」に変更されました。
  • ステータス・バー上のタイム・スタンプが、「グループ・コンテンツ」ペインに表示された管理対象オブジェクトの数に置き換えられます。
  • IBM Java Runtime Environment (JRE) 1.4.2 サーバー・リリース 1 以降
  • ユーザーが選択した関連が、グループごとに繰り返されます。
  • Remote Control の安定性および信頼性が向上しました。

リリース 5.10 での廃止機能

BladeCenter 管理
BladeCenter アシスタント・タスクが除去されました。
DMI ブラウザー
DMI ブラウザー・タスクが除去されました。
Microsoft Management Console (MMC)
Microsoft Management Console (MMC) は、リリース 5.10 ではサポートされていません。
Server Plus Pack
Server Plus Pack が除去されました。ただし、そのコンポーネントはまだ使用できます。
  • ActivePCI Manager
  • キャパシティー・マネージャーは、IBM eServer xSeries システム用に別途購入できます。
  • ラック・マネージャーは、IBM Director 基本システムの一部になりました。
  • ソフトウェア・レジュベネーション
  • システム稼働状況は、別途のインストール可能拡張機能として IBM Web サイトから使用できます。
Web ベース・アクセス
Web ベース・アクセスは、IBM Director 基本システムから除去されました。 Web ベース・アクセスは、別途のインストール可能拡張機能として IBM Web サイトから使用できます。

親トピック: 新機能

(C) Copyright IBM Corporation 1999,2005. All Rights Reserved.